ContextCapture Update19 空中三角測量(AT)パラメータ
このページではUpdate19で大きく変わった空中三角測量(Aerotriangulation)ATのメニューについての説明がされています:
- 基本的な撮影方法に基づいて画像が取得されている場合、ユーザーは標準の設定を変更する事なく空中三角測量(AT)の結果を得られるように設定されています。
- カメラとATパラメータは、インポートされた写真のメタデータに応じて自動的に設定されます。
- ContextCaptureのブロック構成と設定パネルより、いくつかの構成パラメータによるAT処理テストからでも以前の結果に戻る事ができます。
目次
1 構成内容 (オプショナル).
2 位置決定/座標付け.
1.1 一般的なルール.
1.2 「調整制限」を使用する場合.
1.3 「最終の固定的な標定」を使用する場合.
1.4 「基準点」を使用した位置参照.
1.5 「写真の位置メタデータ」を使用した位置参照.
1.6 「点群(スキャン)」を使用した位置参照.
1.7 「ユーザータイポイントによる位置指定」スケーリング.
1.8 ターゲットを使用(QRコード、AprilタグまたはChiliタグ).
3 AT 設定.
3.1 ポーズとタイポイント.
3.2 光学パラメータ.
3.3 他のオプション.
3.4 ユーザープリセット (上級者向け).
1 構成内容 (オプショナル)

このオプションは、一部の写真が使用されずに残ってしまった空中三角測量(AT)が部分終了状態のブロックの場合にのみ表示がされ使用できます。部分的に処理がされたATの場合には、以下の2つの設定が使用できます:
- すべての写真を利用. すべての写真を調整してメインコンポーネントに追加する場合は、このオプションを選択します。
- 主要構成の写真のみを利用. 主要コンポーネントに含まれていない写真が結果/モデルに関連していないと考られる場合には、このオプションを選択してください。
Note: 次の手順を実行すると、キャリブレーションされていない写真の概要を確認できます。
- 3Dビュータブより、フィルターの「構成なし」の写真を表示する
- 写真タブより写真リストの構成の列で「なし」と表示されている写真
- 品質レポートより、データセット:キャリブレーション配置された写真枚数とパーセンテージ

図1:キャリブレーションされていない(構成なし)写真を3Dビューで確認するオプション
2 位置決定/座標付け

1.1 一般的なルール
- 精度の高いメタデータ(正確なGPS:5cm以下)の場合「調整制限」を選択できます。
- 精度の低いメタデータ(フローティングDGPSまたは‘raw’GPS:10cm以上)の場合「最終の固定的な標定」にのみ使用できます。
- 1つの位置参照ソースだけが利用可能で、「調整制限」として使用できる場合(上のスクリーンショットの「写真の位置メタデータ」など)、ATバックエンドの「最終の固定的な標定」に使用されます。
1.2 「調整制限」を使用する場合
- 「調整制限」の設定を選択すると、メタデータ/GCPはフォトマッチングのAT中間段階で使用されます。そのため、写真のつながり(タイポイント)を変更したり写真ブロックを歪ませたりする事ができます。
- 5cm以下の高い精度を持つデータであれば、調整制約の設定を利用することができます。
- いくつかの制約を選択することができますが、ユーザーはこれらの制約が一貫していることを確認する必要があります(例えば、写真のメタデータとGCPの間にZオフセットがないなど)さもなければ、ATは失敗する可能性があります。
1.3 「最終の固定的な標定」を使用する場合
- 「最終の固定的な標定」を選択すると、メタデータ/GCPはATの最終ステップである位置参照/スケーリングで使用されます。フォトブロックを定義された場所に「ブロックシフト」(剛体変換、回転、倍率)するためにのみ使用され、ブロックをゆがめたり、写真間の接続を変更したりすることはできません。
- あらゆる位置参照データを標定制限として使用できます。1つのコントロールポイントでもシーンの位置参照に利用することができます。
- 標定制限として使用できるデータソースは1つだけです。
1.4 「基準点」を使用した位置参照
基準点がブロックで使用されている場合、通常この位置は高レベルの精度を持っているので標準の調整制限として設定されます。
- ユーザーがおおよその基準点を作成した場合(疑わしいデータソース、Google earthのマーカーなど)、代わりの標定制限を設定することをお勧めします。
1.5 「写真の位置メタデータ」を使用した位置参照
画像にポーズメタデータ(ジオタグまたはインポートされたポーズデータ)がある場合、ほとんどのドローンは‘raw’GPSを持っているので標準の標定制限として設定します。
- RTKセットを使用した場合、またはインポートしたポーズメタデータの精度が高い場合は、設定を「調整制限」に変更することをお勧めします。
1.6 「点群(スキャン)」を使用した位置参照
- 「調整制限」として使用:ユーザーが正確なLiDAR点群をインポートし、フォトブロックをゆがめて/変更し点群データとの整合をより正確にしたい場合。
- 「最終の固定的な標定」として使用:点群にノイズが多く解像度が低い場合、これは、写真ブロックが誤って歪んだり変更されたりしていないことを確認するための最良のオプションです。
1.7 「ユーザータイポイントによる位置指定」スケーリング
この設定は「最終の固定的な標定」にのみ使用でき、データのスケーリングだけを行います(位置参照は行いません)。
- 位置参照データソースが利用できない場合は、このオプションを使用して写真ブロックをスケーリングします。
1.8 「ターゲットを使用(QRコード、AprilタグまたはChiliタグ)」
- このオプションは撮影用に複数ターゲットを印刷し写真の撮影シーン上に配置されている場合に使用します。このオプションを選択すると、AT設定内のターゲット抽出オプションが自動的に有効になることに注意してください。
3 AT 設定
以下のパラメータは、自動タイポイントを使った写真の自動連結に影響を与えます。

3.1 ポーズとタイポイント
4つの主要パラメータが詳細メニューから利用できます。

3.1.1 計算
タイポイントと写真のポーズが(再)計算します。
- 位置参照されていない画像に最初のATを実行する場合に、このオプションを使用します(この場合、「計算」オプションしか利用できません)。
- 現在のATが満足のいくものではなく、ATの結果を改善するために1つまたは複数の制限(ユーザータイポイント、ブロックタイプと表示距離、異なるペア選択モード)を追加した場合にこのオプションを使用します。
3.1.2 調整
タイポイントは(再)計算されますが、画像のポーズは現在のポーズから調整されます。
このオプションは、次の場合に使用できます。
- 正確なポーズで最初のATを実行する(ハイエンドGPS受信機で計算された位置、たとえば1〜10 cmの相対精度)
- 現在のATの結果は満足のいくものであるが、さらに調査を追加して精度を向上させたい場合。
3.1.3 延長
エンジンは、現在のメインコンポーネント、または最初のATでは、なんとか統合できた最大のサブセットを使用し、徐々に切断されたサブセットの画像を追加して、メインコンポーネントに接続します。
注:このオプションは、前バージョンでは「完全なインクリメンタルエンジン」と呼ばれていました。
このオプションを使用することができます。
- GPSの標高設定を変更したため、高度にオフセットがある隣接する2つのブロックをマージする場合。
- 標準のブロックに写真を追加してデータセットを更新する場合。
3.1.4 ロック
エンジンは画像のポーズとタイポイントを維持し、ATの最終段階であるスケーリング/位置参照に直接移動します。これにより、ATの完了にかかる時間が短縮されます。
このオプションを使用することができます。
- ATは完成しているが、最終的なカラー・イコライザーを実行したい場合。
- 一貫性のある3Dシーンがあり、基準点を追加した後に位置参照を改善したい場合。
3.1.5 ポーズとタイポイント詳細オプション
「詳細…」ボタンを使用すると、ポーズとタイポイントのポリシーを微調整できます。既定のAT設定をテストした後でのみ、これらのパラメータを変更することをお勧めします。
ユーザーは、画像の位置/回転とタイポイントポリシーを手動で変更できます。
ユーザーは、次のパラメーターを手動で変更することもできます。
- キーポイント密度:普通と高
- ペア選択モード:
- 標準: ATで通常使用される標準のペアマッチング計算
- 類似画像のみ:写真のキーポイントの類似性に基づいて、マッチングする関連写真を推定します。繰り返しのないディテールを持つ建築物正面部の取得(古い建物)に使用できる。写真のセットが適切にソートされていない場合(例えば、リスト上で隣り合っている写真が重なっていない)にも有効です。
- 徹底的:すべての写真のペアリングの可能性をテストします。リグモードが有効でブロックタイプ:最小および最大視距離のある構造化された航空データセット、または小規模なデータセットにのみ使用します。
- 連続的(1つの写真グループのみ):写真のインポートの並べ替えに従って、それらを一致させます。
- ループ状(1つの写真グループのみ):連続的と同じですが、最初の写真と最後の写真を一致させようとします。
3.2 光学パラメータ
このセクションでは、写真グループの光学パラメータ(焦点距離、プリンシパルポイント、ディストレーション… )のポリシーを定義します。

3.2.1 主パラメータを調整
すべてのATの標準モードです。フォトマッチング処理中にすべての光学パラメータ(レシオとスキューを除く)を調整します。
- 独自のカメラキャリブレーションを適用する場合を除いて、この標準設定を維持します。
3.2.2 全パラメータをロック
光学パラメータの値は、AT中はロックされたままです。
- 事前に作成されたカメラキャリブレーションを写真グループにインポートされていた場合に利用します。
3.2.3 光学パラメータ詳細オプション
「詳細…」ボタンで光学パラメーターの微調整が可能です。これらのパラメータは、ATの初期設定を確認した後、カメラの仕様について十分な知識がある場合にのみ変更することをお勧めします。
3.2.4 プリキャリブレーションステージの有効化
この設定により、ATエンジンはより広い範囲で光学パラメータを調整できます。
- 標準のATが正しいカメラキャリブレーションを提供していないと思われる場合、この設定を使用します。
注意:このオプションは、あらかじめ光学パラメーターが設定されていない最初のATで自動的に有効になります。
3.3 他のオプション

3.3.1 ターゲットの抽出
ターゲットを配置して撮影されている場合、このメニューから該当するターゲットのタイプを選択する必要があります。
3.3.2 ブロック状の色調均一化処理
このオプション(標準では有効)は、AT相関に基づいて画像のRGB情報を均等化します。
3Dプロダクションテクスチャに適用するには、リコンストラクションの処理設定を選択する時に、ブロック状の色調均一化モードのブロック状をやめる必要があります。
3.3.3 スプラットを作成
スプラットは、ATの最終段階で各タイポイントに生成される小さな正方形の要素で、3Dシーンの概要をより直感的に把握できるようにするためのものです。このオプションは標準で常に有効になっていますが、タイポイントの3Dクラウドのみで3Dビューを解析することを考慮する場合、ユーザーはこの設定を無効にすることが可能です。
- スプラットモードは、大規模なインフラストラクチャや都市のモデリングのために直感的に使用することができます。
- スプラットは ATブロック全般からいつでも再生成することができます。
3.4 ユーザープリセット(上級者向け)
ユーザーが独自に定義したAT設定を後のプロジェクトに残しておきたい場合、Saveボタンを使ってユーザー設定ファイルに保存することができます。
ContextCaptureのインストールフォルダdata\Presets\ATには、他にもプリセットが用意されています。ボタンを押すと、これらのプリセットのいずれかを取り出すことができます。
以下は、これらのプリセットの詳細です。
3.4.1 Alternate engine.cfg 代替エンジン(非推奨):
このロバストエンジンは、従来のATエンジン(Update17以前)は不可能であったなデータセットに対しより多くの写真を集約するのに有効ですが、スケーラブルではありません。現在のATエンジンはスケーラブルでロバストであることが証明されているので、このプリセットは現在ではわずかな興味しか持たれていません。
- 標準設定を使用すると、満足のいく結果が得られない小さな(数百枚の画像)シーンでテストできます。
3.4.2 Do not check rigid registration reliability.cfg :
このプリセットは、GPSタグに基づくシーンの一貫性チェックをスキップします(例:小さなシーンで不正確なGPSの場合)。以下のような場合に有効です:
- スマートフォンによるオープントレンチの撮影(狭いスペースで撮影した画像が多い)
- GPS接続の悪い小型スマートフォン/ハンドヘルドカメラの撮影(高いビルの近く...)
3.4.3 Keep all components for adjustment.cfg :
このプリセットは、物理的に接続できない2つ以上のサブセットをAT結果に保持するために使用します。重要! ポーズ・ポリシーはKEEPまたはADJUST WITHIN TOLERANCEである必要があります。
3.4.4 Legacy engine.cfg (deprecated) :
このプリセットは、旧ATエンジン(Update17以前)を使用します。旧エンジンでデータセットをテストしたいユーザー向けです。
English